米国発の金融危機が猛威を振るっている。ワシントン・ポスト紙が「1929年の再来か?」と書き、世論調査で6割の米国民が「大恐慌の到来」を憂慮するなど、約80年前の大恐慌の恐怖が公然と語られるようになってきた。 ニューヨークの証券市場はジェットコースター並みに乱高下し、証券4位のリーマン・ブラザーズは157年の歴史を閉じた。3番手のメリルリンチは買収され、保険最大手AIGは政府から巨額の公的資金を受ける。証券自由化を極限まで推進したブッシュ大統領は、大恐慌を招いたフーバー大統領と同一視され始めた。

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