ポスト・コロナ時代の焦点に浮上する「交通システムの安全保障」

執筆者:山口 亮 2022年1月19日
一国の脆弱性は国際交通システム全体の脆弱性に繋がる(羽田空港) ⓒEPA=時事
民間航空機がテロリストの「武器」となった9.11同時多発テロ以降、交通システムを意図的な加害行為から守ることは喫緊の課題に浮上した。交通というネットワーク・インフラをめぐる体制整備には国際連携も不可欠だが、権威主義国家の閉鎖性など乗り越えるべき課題は多数ある。

 交通とは、人やモノの移動と交流において中心的な役割を担う媒体である。生体に喩えるなら、血液を運ぶ血管だ。交通システムは第一次産業革命に始まった機械化で、比較的短期間に著しい発展を遂げてきた。自動車、鉄道、船舶、航空機等の生産量が増大するのと並行して、速度、馬力、搭載力も飛躍的に向上した。その結果、移動速度、運行距離、搭載量、運行量、アクセシビリティ、運行ルート等の拡大により、社会の発展に大きく貢献したのである。

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執筆者プロフィール
山口 亮 東京大学先端科学技術研究センター特任助教。1982年生まれ、長野県佐久市出身。ニューサウスウェールズ大学(豪)キャンベラ校人文社会研究科博士課程修了。パシフィック・フォーラム(米)研究フェロー、ムハマディア大学(インドネシア)マラン校客員講師、釜山大学校経済通商大学(韓)国際学部客員教授を経て、2021年8月より現職。主著に『Defense Planning and Readiness of North Korea: Armed to Rule』(Routledge, 2021)。専門は安全保障論、国際政治論、比較政治論、交通政策論、東アジア地域研究。Twitter: @tigerrhy
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