主要大統領候補らが一斉に「盧武鉉精神」の継承を訴えている(2009年5月23日に急死した盧武鉉氏の故郷、韓国慶尚南道金海に設置された祭壇前で涙をぬぐう女性支持者。後ろの肖像写真は盧武鉉氏)   (C)AFP=時事
大統領選挙が超接戦となる一方で、現職支持率が高止まりを続けるという異例の事態が起きている。背景として見逃せないのが、故・盧武鉉元大統領に対する支持政党を超えたシンパシーだ。「盧武鉉の影法師」と呼ばれた文在寅大統領を軸にした、「記憶の政治」の影響を読み解く。

 日本においては日韓関係を史上最悪の状態に陥らせた大統領というネガティブなイメージしかない文在寅(ムン・ジェイン)大統領だが、通例ではレイムダック化が進むはずの任期末期に至っても、韓国ではなお影響力を保っている。

前例のない高い支持率

 任期残り3カ月を切った時点で、文大統領の支持率はいまだ40%を超えている。同氏はこの異例の高い支持率を長期に亘って維持してきた。

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カテゴリ: 政治
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