2024年米大統領選を占う「ラティーノ」の共和党シフト

執筆者:松井孝太 2022年12月23日
エリア: 北米
ラティーノの支持を受けて大勝したフロリダ州のデサンティス知事(C)AFP=時事
米国で白人に次ぐ規模を持つラティーノは基本的には民主党寄りとされてきたが、近年「共和党シフト」が指摘されている。中間選挙では、フロリダ州知事選で共和党のデサンティス氏がラティーノ票を固めて大勝した。全体を見れば未だ民主党支持者が多いものの、デサンティス氏も出馬が取り沙汰される2024年大統領選では、ラティーノ票が重要なポイントとなりそうだ。

 

 2022年米国中間選挙は、民主党勝利に終わった12月6日のジョージア選出上院議員選挙の決戦投票でようやく結果が出揃った。中間選挙では多くの場合に大統領の政党が議席を減少させる傾向があるが、今年の中間選挙でも、ジョー・バイデン政権への支持率の低迷と急激なインフレに対する有権者の不満によって民主党が大敗を喫するという予測も少なくなかった。

 しかし選挙を終えてみると、共和党は下院で多数党の地位を奪還したものの、獲得議席数は過半数に必要な218議席をわずかに上回る222議席にとどまった。また上院では、共和党が有していたペンシルベニアの議席を民主党が奪ったことで、民主党が選挙前をひとつ上回る51議席を確保した。12月9日、バイデン政権の社会支出拡大路線にしばしば難色を示してきた中道派のキルステン・シネマ上院議員が民主党を離党することを表明し、民主党は再び50議席となったが、民主党が多数党の地位を確保したという状況に変わりはない。

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カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
松井孝太(まついこうた) 杏林大学総合政策学部准教授。専門は米国政治経済、社会保障・労働政策、政治学。1986年生まれ。東京大学法学部卒業後、同大学大学院法学政治学研究科修士課程修了、博士課程進学(2019年3月満期退学)。イェール大学フォックス・インターナショナル・フェロー、同大学政治学部客員研究員(VAR)、杏林大学杏林CCRC研究所特任助教、同大学総合政策学部講師を経て現職。共著に『アメリカ政治の地殻変動: 分極化の行方』(東京大学出版会/2021年)、『50州が動かすアメリカ政治』(勁草書房/2021年)、『トランプ政権の分析 : 分極化と政策的収斂との間で 』(日本評論社/2021年)などがある。
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