【Analysis】米大統領選「トランプ対バイデン」を見越すウォール街は何に注目しているか
[ニューヨーク発/ロイター]本選の結果に株式、債券、為替がどう反応するか計算するには、細心の注意が必要だ。なんといってもまだ年が明けたばかりだし、勝敗予測も市場では真っ二つに割れている。また、連邦準備制度理事会(FRB)の政策や景気サイクル、企業業績といった要因のほうが、長い目で見れば市場にとって重要だとほとんどの投資家は考えている。
とはいえ、一部のストラテジストの間では、11月の投票日前後に政治的な要因で資産価格が動くことへの期待が高まっており、ゴールドマン・サックスは選挙こそが“主要な市場イベント”になる可能性を指摘している。
ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのシニアグローバル市場ストラテジスト、サミール・サマナ氏は、トランプ氏とバイデン氏のいずれかが2期目を迎えれば、トランプ氏は減税、バイデン氏は環境対策など1期目から重視していた課題にさらに注力する可能性があると述べた。
「二人とも理念や目標についてさほど変化はしていない。変わった点があるとすれば、それらに一段と傾倒しているところかもしれない」
今のところ、市場は堅調だ。過去2年乱高下してきたS&P500は史上最高値を更新している。景気が底堅く推移し、FRBが今年後半にも利下げに踏み切るとの期待が背景にある。金融緩和観測は米国債利回りを低下させた。米国債利回りは昨年、16年ぶりの高水準を記録していた。
税制に注目
トランプ氏が勝利し、在任中の2017年に打ち出した大型減税の恒久化に成功すれば、株式市場は幅広く押し上げられそうだ。ただし、……
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。