【Explainer】トランプがアメリカの中央銀行制度に介入する方法

2024年8月12日
エリア: 北米
FRB議長は大統領が指名し、上院の承認を受ける必要がある[ジャネット・イエレン氏の後任として次期FRB議長に指名されたパウエル氏の会見を見つめるトランプ大統領(当時)=2017年11月2日、アメリカ・ワシントンDC](C)REUTERS/Carlos Barria
トランプ前大統領が再選を果たせばFRBの独立性に介入することを示唆している。大統領が金利決定や銀行規制に関与するべきだと主張し、1970年代以来の大統領の直接介入が再燃する可能性も指摘される。パウエル現議長の任期は2026年5月まで続くが、後任人事が今から注目されているゆえんだ。現理事および各地区連銀総裁の任期満了日も一覧にした。

[ロイター発]米共和党の大統領候補であるドナルド・トランプは8月8日、FRB(米連邦準備制度理事会)の独立性に介入する意向を示唆するものとしては、これまでで最も明確な発言を行った。

 トランプはフロリダ州の邸宅マール・ア・ラーゴで記者団に対し、「大統領はFRBの決定に少なくとも何らかの発言権を持つべきだ」と述べた。トランプ陣営は今春にもFRBの独立性を弱める提案を準備していると報じられた。当時、トランプ陣営はこのウォール・ストリート・ジャーナルの報道を否定したが、今回の発言はやはりトランプが同提案の主旨を支持していることを示している。

 具体的には、もしトランプ大統領が再び誕生した場合、金利決定は大統領の意見も参考にして行われるべきであり、FRBの銀行規制に関する提案もホワイトハウスの審査対象にすべきだ、などの内容だ。

カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
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