日本の研究チーム、海水で数時間で分解するプラスチックを開発

2025年6月21日
カテゴリ: 環境・エネルギー
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海水で分解するプラスチックのサンプル。塩分は土壌にも含まれるため土の上でも自然に分解される[2025年5月27日、埼玉県和光市にある理化学研究所・創発物性科学研究センター] (C) REUTERS/Manami Yamada
日本の研究チームが、海水に浸すと数時間で分解する新たなプラスチック素材を開発した。プラスチックによる海洋汚染や野生動物への悪影響に対し、有効な一手となる可能性がある。これまでにも生分解性プラスチックの研究は各国で進められてきたが、理化学研究所・創発物性科学研究センターと東京大学の研究チームによれば、今回の新素材は従来よりも格段に速く分解され、形跡も残らないという。

[和光市発/ロイター]研究チームは埼玉県和光市の研究所で実演を行い、塩水を入れた容器の中で小さなプラスチック片をかき混ぜると、約1時間で完全に姿を消した。商業化に向けた計画はまだ公表されていないが、プロジェクトを率いる相田卓三氏によれば、包装資材業界などを中心に大きな関心が寄せられているという。

 国連環境計画(UNEP)によると、2040年までに海洋プラスチックごみが3倍に増加することが予想される。毎年2,300万〜3,700万トンのごみが新たに流入することとなる。

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