Weekly北朝鮮『労働新聞』
Weekly北朝鮮『労働新聞』 (147)

「韓国」関連記事が激減の1年、11月は言及ゼロ(2025年12月14日~12月20日)

執筆者:礒﨑敦仁 2025年12月22日
タグ: 北朝鮮 金正恩
エリア: アジア
記事では言及されていない娘だが、公表された写真には姿が見える[新しく竣工した施設を視察する金正恩国務委員長ら=2025年12月15日、平壌市江東郡](C)EPA=時事
2025年の『労働新聞』に起きた顕著な変化は韓国がスルーされたことだ。その傾向は秋頃に一層強まり、同時期から中国への言及も増えてきた。ただし、やはり中国の登場回数はロシアより少ない。内政に関しては昨年から始まった「地方発展20×10政策」の成果や、「平均主義」の弊害を強調する記事が目立った。【『労働新聞』注目記事を毎週解読】

「地方発展20×10政策」は来年以降も重視される見込み

 年末が迫り、「地方発展20×10政策」の2年目の実績を誇示する記事が増えている。12月16日付は、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が平壌(ピョンヤン)市・江東(カンドン)郡に建設された地方工業工場と総合奉仕所の竣工式に出席したことを3ページかけて報じた。記事は「お子さま」に言及していないものの、掲載写真では父娘が施設を視察している様子が見て取れる。また、李雪主(リ・ソルジュ)夫人は約半年ぶりに表舞台に登場した。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治外交。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、『北朝鮮を読み解く』(時事通信社)、共著・編著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)、『北朝鮮を解剖する』(慶應義塾大学出版会)など。
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