「今週のトランプ」ラウンドアップ
「今週のトランプ」ラウンドアップ (49)

トランプ大統領の発言とアクション(2月26日~3月5日):ホルムズ海峡対策「DFCのソブリンファンド化」は容易でない|テキサス州予備選の読み方 

執筆者:安田佐和子 2026年3月7日
米国の公的資金による“保証と保険”の提供は、競争相手である中国やアジア諸国向けの原油輸送コストを肩代わりすることにもなる[ホルムズ海峡周辺の商用船運航状況=2026年3月4日](C)AFP=時事
トランプ大統領と政権キーパーソンから飛び出した発言を、ストリート・インサイツ 代表取締役・安田佐和子氏がマーケットへの影響を中心に詳細解説。▼DFCに期待される「ワシントンとウォール街の橋渡し」 ▼立ちはだかる4つの制約▼テキサス州予備選が映す共和党内の力学変化▼グローバル一律関税、間もなく15%に引き上げへ

 ドナルド・トランプ大統領は2月27日、映画『レーガン』でロナルド・レーガン元大統領役を務めた俳優デニス・クエイド氏とエアフォース・ワンの中で”会談”した。記者にトランプ氏をどう思うかと質問されたクエイド氏は、レーガン風の明るく大げさな口調で、「自分の強化版のような奴だと思う(He is like me on steroids)」と答えてみせた。翌28日、政権はイスラエルと共にイランへの空爆「壮絶な怒り作戦(OPERATION EPIC FURY)」を開始した。しかし、3月5日までに米国人死亡者は6人を数え、マルコ・ルビオ国務長官とピート・ヘグセス国防長官の間で地上戦力投入の是非で対立が報じられるなど、出口戦略は不透明だ。

DFCに期待される「ワシントンとウォール街の橋渡し」 

 米国内のイラン攻撃に対する評価は、党派別で真っ二つに分かれている。今後の評価を左右する要因としてはまず米兵の死者数が挙げられようが、インフレ動向が与える影響も見逃せない。米1月生産者物価指数(PPI)では、流通マージンを示すトレードサービスは過去最高を記録している。足元では、イランによる事実上のホルムズ海峡封鎖を受けてWTI原油先物が一時1バレル81ドル台(期近の4月物)まで急伸した(編集部:6日には一時92ドル台まで上昇)。供給網の混乱はインフレをさらに後押ししかねず、米国経済の急所となりつつある。

【チャート1:米世論、イラン攻撃には慎重な見方】

 トランプ氏は3月3日、ホルムズ海峡を航行するタンカーに対し、米国際開発金融公社(DFC)を通じて“保証と保険”を提供する方針を打ち出した。

 DFCとは、2018年に成立した BUILD法(Better Utilization of Investments Leading to Development Act)を基に創設が決定。中国の「一帯一路」に対抗すべく、発展途上国への支援を目指し2019年に正式発足した米国の新しい開発金融機関である。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
安田佐和子(やすださわこ) ストリート・インサイツ代表取締役、経済アナリスト 世界各国の中銀政策およびマクロ経済担当の為替ライターの経験を経て、2005年からニューヨークに拠点を移し、金融・経済の最前線、ウォール街で取材活動に従事するかたわら、自身のブログ「My Big Apple NY」で現地ならではの情報も配信。2015年に帰国、三井物産戦略研究所にて北米経済担当の研究員、双日総合研究所で米国政治経済や経済安全保障などの上級主任/研究員を経て、株式会社ストリート・インサイツを設立。その他、トレーダムにて為替アンバサダー、計量サステナビリティ学機構にて第三者委員会委員、日本貴金属マーケット協会のフェローを務める。
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