アジアの「武器経由地」と批判を受けるマレーシア

執筆者:Foresight 2000年7月号
タグ: 北朝鮮 インド
エリア: アジア

 フィリピン国軍当局が六月下旬、マレーシアがフィリピン・ミンダナオ島で分離独立闘争を続けるモロ・イスラム解放戦線(MILF)の武器経由地になっていると非難し、マレーシアとの間に険悪な空気が流れ始めた。フィリピン国軍は、五月にマレーシア・ジョホール州でMILFと北朝鮮当局が秘密会談を持ち、北朝鮮からMlLFへの武器売却に合意、マレーシア経由で武器を供給する手はずになったと主張する。 マレーシアのナジブ国防相はこれを強く否定した。しかし、事情通によれば、ミンダナオ島と国境を接するマレーシア・サバ州では、密輸船が運航され、当局の手のおよばない海域まで武器を運び、いったん海に沈めたうえで、フィリピン側の買い手が武器を引き揚げるといった取引が、麻薬取引と並んで伝統的に行なわれてきたという。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
  • 24時間
  • 1週間
  • f