ロシアのプーチン大統領は五月の正式就任以来、エリツィン前大統領との関係が疎遠になっているといわれていたが、ここに来て遂に政治的恩師との訣別を決意したようだ。 モスクワの消息筋が「二人の訣別の象徴」と一様に指摘するのは、十月七日モスクワ市内で行われたエリツィン氏の自伝『大統領のマラソン』出版記念式典にプーチン大統領が欠席したこと。 式典にはカシヤノフ首相はじめ政府要人が出席したが、プーチン大統領は「故郷のサンクトペテルブルクで四十八歳の誕生日を家族水入らずで祝うため」(大統領側近筋)として招待を断った。

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