台湾では十二月七日、行政院直轄市(台北市・高雄市)の市長・市議会議員選挙が行なわれるが、このうち台北市長選挙が総統選前哨戦の色彩を強めている。 台北市長選挙といえば、一九九八年末の前回選挙で、当時現職市長だった陳水扁総統が国民党公認の馬英九候補にまさかの敗北を喫した因縁の選挙でもある。民進党は台北奪還のスローガンを掲げ、陳水扁氏の腹心でもある李応元・前行政院秘書長を候補に立てているが、現職・馬英九氏の優勢は明白だ。報道各社の支持率調査は、概ね馬英九支持が六〇%に対して李応元支持は二〇%。あまりの不振に陳水扁氏自らが十月下旬から数回にわたり街頭キャンペーンを発動し、台北市民に李応元支持を訴えたが、形勢逆転には程遠いのが現実だ。
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