発足前から難問を突き付けられてきた盧武鉉・新政権。大統領が頼りにしそうな人々の顔ぶれには、対米、対日関係のエキスパートはあまり見当たらない。それどころか……[ソウル発]韓国の盧武鉉次期大統領は政権の正式スタート(二月二十五日)前から「北朝鮮」という難題を突き付けられ苦労している。しかしソウルの政界では「この苦労は盧氏にとっては幸い」との声が聞かれる。対外経験がほとんどない若手(五十六歳)の土着派政治家である盧氏にとっては、政権発足前にいい勉強だというのだ。またこれまで革新系と見られ、取り巻きの参謀陣や支持勢力に左派・進歩派や急進的ナショナリストが多い盧氏にとっては、政治的な均衡感覚を養うにはいい機会だとの声もある。

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