米高級百貨店、サックス・フィフスアベニューが二〇〇五年をメドに日本に一号店を開業することを決めた。その日本法人社長に長沢昭氏(七四)が就任したことが百貨店業界に衝撃を与えている。 一九九〇年代初め、長沢氏は大丸の専務で社長候補の筆頭だった。が、創業家の下村家から煙たがられ、九三年に退社している。その後、高知県の橋本大二郎知事に三顧の礼で迎えられ、県産の農産物を全国に売り込む高知県商品計画機構社長に就任。大丸時代の顔を生かし、事業を軌道に乗せた。 だが、高知県関係者によると、長沢氏は百貨店経営に相当未練があり、幾度となく百貨店業界への復帰を考えていたらしい。二〇〇〇年にそごうが破綻した際も長沢氏の名前が挙がったが、年齢がネックとなり消えた。

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