日本の政府当局者の多くは、「日米関係は史上最高の状態」という。しかし、日本自身が世界の将来図を提示せず、米国に従うだけの関係を「同盟」と呼べるのか。同盟のあるべき姿を、歴史の教訓から見直してみると……。[ワシントン発]日米関係を考える時に常に思い出すことがある。 一九九一年、湾岸戦争が終わった約一カ月後、当時米下院議長であったトマス・フォーリー氏を訪ね、日米関係の展望を語ってもらった。マイク・マンスフィールド元上院議員が駐日大使を最後に引退した後、フォーリー氏は米政界きっての親日家であり、日本にとってはありがたいほどの「大物」であった。マンスフィールド氏同様、駐日大使を花道に先ごろ引退したのは、知っての通りである。
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