同盟などとは呼べない日米関係の真の姿を見よ

執筆者:会田弘継 2004年2月号
エリア: アジア

日本の政府当局者の多くは、「日米関係は史上最高の状態」という。しかし、日本自身が世界の将来図を提示せず、米国に従うだけの関係を「同盟」と呼べるのか。同盟のあるべき姿を、歴史の教訓から見直してみると……。[ワシントン発]日米関係を考える時に常に思い出すことがある。 一九九一年、湾岸戦争が終わった約一カ月後、当時米下院議長であったトマス・フォーリー氏を訪ね、日米関係の展望を語ってもらった。マイク・マンスフィールド元上院議員が駐日大使を最後に引退した後、フォーリー氏は米政界きっての親日家であり、日本にとってはありがたいほどの「大物」であった。マンスフィールド氏同様、駐日大使を花道に先ごろ引退したのは、知っての通りである。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
会田弘継(あいだひろつぐ) 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『世界の知性が語る「特別な日本』』 (新潮新書)『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
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