独仏の両政府が、仏製薬会社サノフィ・サンテラボによる独仏の製薬大手アベンティスへの買収提案に神経を尖らせている。 アベンティスは、ドイツのヘキストとフランスのローヌ・プーランが五年前に合併して誕生した、独仏の融和を民間レベルで象徴する存在。それだけにフランスのメール財務相は買収提案直後、「欧州の利益になる事業統合だ」とラジオ番組で述べ、フランスによる主導権奪取との観測の打ち消しにやっきとなった。二月九日の独仏首脳会談では会談テーマにもなり、シュレーダー独首相が「独仏企業が融合して欧州で強大になるのはいいが、敵対的買収は望ましくない」と懸念を示した。

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