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池内恵の中東通信

池内恵(いけうちさとし 東京大学教授)が、中東情勢とイスラーム教やその思想について日々少しずつ解説します。

執筆者プロフィール
池内恵
池内恵 東京大学先端科学技術研究センター グローバルセキュリティ・宗教分野教授。1973年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より東京大学先端科学技術研究センター准教授、2018年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』 (新潮選書)、 本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』(同)などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。

今日昼12時5分〜テレビ東京「マネーの羅針盤」でトルコ解説

まもなくテレビ出演。テレビ東京「マネーの羅針盤」(12時05分〜30分)でトルコについて解説。2時05分〜BSジャパンで再放送の予定。
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ロシア機墜落でエジプトの空港関係者が手引きか?

ロシア機のシナイ半島での墜落について、CNNの報道では、「イスラーム国」か関連組織が爆発物を機内に仕掛けた可能性があると、米諜報当局は見ているという。その場合はロシア語話者による自爆テロの可能性よりも、エジプトの空港当局の中に「イスラーム国」などの共鳴者がい…
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ロシア語話者のジハード主義者についての背景解説(NHKBS1国際報道2015)

10月31日のロシア機のシナイ半島での墜落が、もし本当に機内に持ち込まれた爆発物によるのであれば、ロシア人観光客のチャーター機に紛れ込めるのはロシア語話者のジハード主義者(Russian Speaking Jihadists)の可能性が高い、と先に記したが、10月30日のNHKBS1「国際報道20…
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ロシア機墜落は「ロシア語話者」のジハード主義者が関与したのか?

10月31日にエジプト・シナイ半島でロシア機が墜落した事件が、テロによるものである可能性が出てきた。米欧の治安当局者が、飛行機が空中で爆破された可能性を示唆しているというのだ。携帯式の地対空ミサイルなどでは高高度で飛行する航空機を撃墜することは困難である。しか…
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トルコ総選挙の結果、与党AKPが単独過半数を回復

11月1日に投票が行われたトルコ国会のやり直し総選挙の結果が、正式な発表はまだだが、現地メディアの報道、主要政党幹部の発言によって明らかになりつつある。報道によれば、エルドアン大統領の指導の下、ダウトール首相率いる与党AKP(公正発展党)が、今年6月7日投票の総選…
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シナイ半島リゾート地は最近はロシア人観光客に依存

ロシア機の墜落したシナイ半島は、南部・最南端のシャルム・エル・シェイクが著名なリゾート地であるのに対して、北部のガザとの国境地帯は辺境地域で、ガザとの間にトンネルを用いた文字通り地下・非合法の密輸ネットワークが広がり、反政府勢力が武装化して政府の軍・治安部…
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エミレーツやルフトハンザなどは念のためシナイ半島上空を回避

エジプト・シナイ半島でのロシア機墜落を受けて、エミレーツ航空、ルフトハンザ航空、エール・フランス航空などが、シナイ半島上空を通過する飛行ルートを再検討し、当面上空通過を回避する見通しだ。"Major airlines review routes over Egypt after crash," Al-Jazeera Engl…
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エジプト・シナイ半島のロシア機墜落について気になること

10月31日にロシア機がエジプト・シナイ半島中部の山中に墜落した件については、ロシアもエジプトも政府は事故と主張しており、それを覆す決定的な情報はない。ただ、墜落した航空機が、エル・アリーシュに向かって降下を試みていたという情報が正しければ、なぜ降下したのか、…
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エジプト・シナイ半島でロシア旅客機が墜落

10月31日、エジプトのシナイ半島でロシアの旅客機(チャーター機)が墜落し、224名の乗客乗員全員が死亡したと見られる。“Russian Airliner Crashes in Egypt, Killing 224,” The New York Times, October 31, 2015.“Russian airliner with 224 aboard crashes in Egypt's …
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アメリカがシリアのクルド勢力に小規模の特殊部隊顧問団を派遣

ウィーンでシリア問題をめぐる拡大外相会議がイランを含めて開始された。これに合わせるように、10月30日、米オバマ政権はシリア北部のクルド勢力に小規模(50名とも報じられている)の特殊部隊顧問団を派遣することを決めた。「訓練と助言」を任務とするという。間もなくホワ…
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【お知らせ】本日夜10時〜NHKBS1「国際報道2015」で中央アジアのイスラーム過激派について解説

本日(10月30日)の夜10時から、NHKBS1「国際報道2015」に出演し、中央アジアのイスラーム過激派について解説します。
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シリア問題をめぐるウィーン会議の予定

シリア問題をめぐっては、ロシアは軍事介入による成果を誇示した上で交渉上の優位に立とうとしていると全体としては言えるだろう。米国も、ロシアの軍事介入の意図や成果に留保をつけつつ、米国自身がイラクでの米軍戦闘部隊全面撤退以来初めての公然とした直接的な戦闘参加を…
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シリア問題をめぐる外交交渉の課題ーーイラン包摂とアサド政権限定容認

シリア問題をめぐって、ロシアがイランと結束して軍事介入を行い、アサド政権の崩壊を阻止する姿勢を明確にした上で、外交交渉で優位に立っている。その一つの現れが、近日中にシリア問題を話し合う関係国会合にイランを入れる方向で調整が進んでいることだ。"Iran to be invi…
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ロシアのシリア軍事介入から1ヶ月ーー米・露の報道姿勢・論調の傾向

9月30日に始まったロシアの対シリア軍事介入から1ヶ月がたとうとしている。過日は"Fog of War"と表現しておいたように、膨大に溢れ出る関連情報・報道は、多分に情報戦の一部であり、事実をそのまま伝えているとは考えにくい。特定のニュース単体を取り上げることがかえって…
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ロシアのシリア反体制派空爆で「イスラーム国」が支配地域を拡大

ロシアはシリア空爆を強化し、地上戦でアサド政権軍がヒズブッラーやイランなどの民兵組織の力も借りて攻勢に出る、という情報が発信されているが、同時に、諸勢力が激しい戦闘を続けてきたアレッポ近郊で、「イスラーム国」が支配領域を広げたとも伝えられる。Syria conflict…
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ロシアのシリア介入は弱さの表れ:オバマの基本姿勢

米・オバマ大統領は、CBSテレビの番組「60ミニッツ」への録画インタビューを行い、シリア問題について触れた。10月11日(日)に放映の予定だが一部がインターネットで公開されている。Putin’s move in Syria a sign of weakness: Obama, CBS News, October 9, 2015.抜粋部分…
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シリア内戦のfog of warは巡航ミサイルの落下でいよいよ深まる

ロシアによるシリア内戦への直接的な軍事介入が9月30日に公然と開始されたことで、シリア内戦への国際的な関心は高まった。それまでは半ば「放置」されてきたシリア内戦が、中東の地域紛争の枠を超えて、米露間対立の焦点となったかのような、あたかもかつての冷戦状況が再現…
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ロシアが地上部隊の「義勇兵」をシリアに派遣する可能性

9月30日からシリア軍事介入を公然と開始したロシアだが、これまで否定してきた地上軍も派遣する意志がある兆候が見えてきた。Kremlin Says Russian ‘Volunteer’ Forces Will Fight in Syria, The New York Times, 5 October 2015.ロシア下院国防委員会委員長のコモエドフ提…
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ロシアのシリア介入はロシアに何をもたらすか

ロシアのシリア空爆が2日目に入っている。初日はラタキア付近やホムス近郊タルビーサの自由シリア軍系の勢力範囲を、2日目はイドリブの「アフラール・シャーム(シリア自由派)」の勢力範囲を攻撃するなど、安定して「イスラーム国」以外の反アサド勢力を狙っている。もっと…
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米国の国際政治学者の「プーチンにやらせておけ」説

ロシアのシリア軍事介入に関しては、米国や欧州の外交・安全保障の論客たちの間には、(1)欧米の政府の公式見解・原則論のように、アサド政権の支援をめぐって異議を申し立てる議論と、(2)むしろ積極的にロシアの解決策に協調する政策転換を主張する議論があるが、ロシア…
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