インド経済に変調が目立ち始めた。昨年来のドル資金流出に加えユーロゾーン危機に伴うドル高の影響で、通貨ルピーは史上最安値を相次ぎ更新。原油価格高騰と相まって輸入物価及び工業製品価格の上昇につながっている。また4月の消費者物価上昇率は野菜や食用油などの高騰を背景に年率10.36%と前月の同9.38%から二ケタに上昇した。これにより、かねてインド中銀(RBI)も消極的だった追加利下げがさらに遠のいたと受け止められており、企業の設備投資や資金調達、ローン販売に頼る乗用車や高額家電、住宅などの販売に影響しそうだ。

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