民主党政権の時代だから相当以前のことになるが、昨年7月末、「野田首相が尖閣問題で自衛隊活用を示唆、中国は反論」という見出しの記事が各紙で報道された。7月26日の衆院本会議における野田発言は、「尖閣諸島を含む日本の領土、領海で周辺国による不法行為が発生した場合は、必要に応じて自衛隊を用いることも含め、政府全体で毅然として対応する」であった。これに対し中国は、27日、「いかなる者も中国の主権保護の意志と決心を動かすことはできない」と、反論を中国国際放送局が報じた。
実はこの「自衛隊を用いる」という野田発言には、日本以外の国が見聞きすると極めて危険極まりない尖鋭な意味合いが盛り込まれている。
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