中国に広がる「一党独裁」終焉のムード

執筆者:藤田洋毅 2004年12月号
エリア: アジア

政権トップも中堅幹部も、共産党の下野を視野に入れている。もし、「執政能力建設」がうまくいかなければ――。「冷厳かつスマートに、国益を追求しなければならない」――胡錦濤指導部を支える中堅幹部らが、熱心に語り合っている。党中央の宣伝部・政策研究室、国務院の外交部・財政部、軍の総政治部などに所属し、将来を嘱望される若手エリート官僚の面々だ。大学の同級生を軸としたグループで、しばしば集い食事しながら忌憚のない意見を交換しているという。驚くべきは、「たとえ共産党が下野しようとも……」という一言が、ごく自然に会話の端々に飛び出すことだ。

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