大東亜戦争開戦前において帝国陸軍は、ロシア(革命後はソ連)を仮想敵として大陸に軍事力を指向した。他方海軍は、軍事予算獲得のためとも言われるが、仮想敵をアメリカとして太平洋に軍事力を展開した。これは、「オレンジプラン」が日本を仮想敵としたアメリカの「戦争計画」であったのだから見当違いではない。
こうして帝国陸海軍は、開戦後、その作戦の多くを陸・海軍協同することなく進めた。国力・軍事力共に米軍を旗頭とする連合軍に劣勢であった状態で、しかも陸軍、海軍それぞれが勝手な戦いを展開したのであれば勝ち目も薄く、いたずらに軍事力の損耗を招くのは当然であった。
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