ブッシュ米大統領は五月三十一日の記者会見で、北朝鮮の核問題に対応する方法について「外交か軍事かだが、私は外交的アプローチに賛成だ」と言った。大統領は過去にも「あらゆる選択肢」があると述べているから、新味はない、と日本のメディアは考えたのだろう。日本ではまったく報道されなかった。 実は、大統領はこのあと米政府内に「軍事的」オプションが提出されたことを認めた。「軍事力行使を主張する人たちに対しては、あらゆる選択肢がある間は外交的解決の方法があると言いたい」と明言したのである。 大統領会見の前から軍事的圧力は強まっていた。ローレス国防副次官が議会証言で「北朝鮮が六カ国協議放棄の戦略的決定をする可能性に備えている」と明言した五月二十六日、米軍がF117ステルス戦闘機十五機を韓国に配備し、空母ニミッツが太平洋を移動中であることが明らかにされた。
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