この夏、航空自衛隊初の女性将官が退官した。顔を合わせれば言葉を交わす知己であり、感慨深くまた真にご苦労様でしたと言いたい。一方で、2013年NHK大河ドラマ「八重の桜」の主人公山本八重は、今で言えば女性軍人として銃を手に官軍と交戦したが、会津が敗れた後、明治維新の変容に目覚め一念発起、明治期には数少ない女性の教養人として成長した。彼女たちは女性の軍事エリートでもあった。
さて、ナチスに関わる閣僚の発言が物議を醸した。政府高官や国会議員の発言は1度、口から出てしまえば発言者の意図を超えて世間で1人歩きする。もちろん、政府高官の発言は大いに問題があるが、この1件を自ら省みる教訓ともしながら、「女性と政治・軍事」という文脈の中でヒットラーの台頭について考えてみる。
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