小泉首相はモスクワで冷遇されていた

執筆者: 2005年8月号
エリア: ロシア 日本

 ナチス・ドイツに対する旧ソ連の戦勝六十周年記念式典が、五月にモスクワで開催された。出席した小泉純一郎首相は大歓迎を受けたことになっているが、実情はどうも違うらしい。 北方領土問題に進展がなく、今年初めの線で合意していたプーチン大統領訪日も実現しないまま。そんな中での訪露は「国辱」との声さえあるのに敢えて踏み切ったのは、そうすれば、さすがの大統領も訪日時期を明確にすると読んでいたからだ。 だが、実際には訪日時期は確約されず、そればかりか、赤の広場で行なわれた式典では当初、ロシア、フランス、米国の首脳が陣取る雛壇中央から遠い席が小泉首相に指定され、首脳会談の場も市内のホテルと伝えられた。日本の外務省が大慌てで申し入れた結果、式典の席順はプーチン大統領に比較的近い、イタリアのベルルスコーニ首相の隣に、会談場所もクレムリンへと変えられたものの、厚遇とは言えない。

カテゴリ: 国際 政治
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池内恵の中東通信

池内恵(いけうちさとし 東京大学教授)が、中東情勢とイスラーム教やその思想について日々少しずつ解説します。

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