これまでに結婚というのは、ある種の毎月分配型の特殊な債券の売買契約である(奥さんは『結婚債券』をお金を払って買うわけではないので、譲渡契約と言ったほうがより適正だろう)、ということが理解できたと思う。しかし、結婚と金融商品の売買契約で大きく違うのは、その契約の手続きにかかる時間だ。
金融商品の取引は5分もあれば済むのだが、結婚するには男女が出会って、通常は1年以上の交際期間を経て、契約成立となる。離婚とは、この契約の解約条項をめぐる攻防と言えるのだが、これは夫側が高額所得者の場合は、通常は何年もかかるのだ。

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