最初に述べておくと、筆者は芸能人のゴシップ話などに興味があるタイプではない。また、他人の恋愛や家庭に、こうあるべきだなどと口出しするようなタイプでもない。筆者は、基本的には個人主義、自由主義の考えを持っており、恋愛や家庭の問題などは他人がどうこう言うべきではないし、他人に迷惑をかけず法律を守っているならば、本人たちのやりたいようにやればいいと思っている。
しかし、国家権力が介入する結婚制度がどのように機能し、その強制力によって、夫婦間でどのような金銭の支払い義務が生じるのかは、法律と経済の問題として強い関心を持っている。多くの報道がなされる芸能人、著名人夫婦の離婚騒動は、実際に結婚と離婚の法律がどう動くのかを理解するためのケース・スタディの材料を提供しており、その点において本連載『結婚と離婚の経済学』で分析するべき対象だと思われる。

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