アメリカ政治の見物といえば党大会だろう。四年ごとの大統領選の年の夏、二大政党がそれぞれの大統領候補を選出する行事だ。とてつもなく華やかだが、どこかうさんくさい。そこがいかにもアメリカ的だ。 アメリカの二十世紀を代表するジャーナリスト、ヘンリー・ルイス・メンケン(一八八〇―一九五六)は、この党大会取材を愛し、半世紀近くすぐれた現場ルポを書き続けた。「陽気でけばけばしく、メロドラマのようで、猥雑で、思いがけぬ興奮を誘うかと思えば、ばかげてもいる舞台が突然現れ、一時間で素晴らしい一年を生きた気にさせる」

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