堕ちゆく世界の迷走 (43)

米国債「ナゾの売り主」と目される「中国」の思惑

 笑顔の裏で”腹”の探り合い (C)AFP=時事
笑顔の裏で”腹”の探り合い (C)AFP=時事

 200人余りの乗客と搭乗員を乗せて忽然と姿を消した、マレーシア航空機のようではないか―― 。国際金融の世界でそんな声が上がっている。某国の通貨当局が3月に入り、米国債を大量に売り越したのである。ウクライナをめぐって米国と対立姿勢を強めているロシアが売ったのではないか。市場関係者の憶測がメディアを駆け巡ったが、本当なのだろうか。

 まず海外当局が米国債と米政府機関債を大量に売ったことは間違いない。ニューヨーク連銀のカストディー(保護預かり)勘定における、海外当局保有分の残高をみよう。米連邦準備制度理事会(FRB)によれば、その残高は以下の如し。

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