総務省の統計によれば、平成24年度の出生数は103万7000人である。一方で、厚生省の統計によれば、平成24年度の人工妊娠中絶件数は19万7000件である。産まれてくるはずだった子供の概ね16%が人工妊娠中絶により、死んでしまうことになる。もっとも、コンドームやピルなどの避妊が普及したために、この数自体は改善している。たとえば、平成元年の出生数124万7000人に対し、人工妊娠中絶件数は46万7000件だった。じつに産まれてくるはずだった子供の27%が人工妊娠中絶されていたのである。
中絶というのは、もちろん道徳的にすばらしいことでもなく、後ろ暗いことであるので、世間では中絶したことをおおっぴらに話す人はいないのだが、統計を見る限りものすごく身近なことで、多くの人が経験していることである。
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