インテリジェンス・ナウ
FBIが「ネタ元」を追及するイラク開戦の口実となった「偽文書」
二十一世紀が明けた二〇〇一年元日の深夜から二日未明、ローマの在イタリア・ニジェール大使館にコソ泥が侵入した。金目の物は盗まれなかったが、公式レターヘッドの書簡紙や大使館の印章がなくなっていた。 ワシントン・ポスト紙は事件の発生を一九九一年としているが、冒頭のように伝えた地元紙レプブリカの調査報道が正しいようだ。これが、四年後ブッシュ政権を揺るがすことになる大事件の第一幕だった。 コソ泥の犯人は不明だが、ニジェール政府の公式書簡紙を使った偽文書の売り込みを図った人物は判明している。ロッコ・マルティノ氏という白髪の情報屋だった。
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