ロシアが目をつけたウクライナの新しい親露の星

執筆者: 2006年5月号
エリア: ヨーロッパ

 三月二十六日に行なわれたウクライナ議会選では、親ロシアのヤヌコビッチ元首相の野党「地域党」が勝利し、親欧米のユーシェンコ大統領は、反ロシア各党との連立に活路を見出す展開となった。当分は閣内での「東西対立」という不安定な状況が続く見通しだ。そんな中、クレムリンが次期ウクライナ大統領候補として目をつけているのが、ロシア寄りの「進歩社会党」の女性党首ナターリア・ビトレンコ(五四)だ。 ロシアのプーチン大統領は、ユーシェンコがヤヌコビッチに勝った前回大統領選挙では露骨にヤヌコビッチに肩入れしていた。だが、東部炭鉱地帯の出身で、旧ソ連型の古い政治体質が抜けないヤヌコビッチはカリスマ性に欠け、次の二〇〇九年の大統領選では勝てないというのがクレムリンの判断だ。

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