好業績を背景に再び拡大戦略に出た大手銀行。だがその旧態依然の戦略は、むしろ市場を退化させる恐れすらある。 大手銀行の二〇〇六年九月中間決算は連結純利益が過去最高を記録した。昨年度に続く好決算は、銀行の“復活”を象徴する。だが、本当に日本の銀行は「マトモ」になったのだろうか。ゼロ金利と公的資金によって、不良債権という過去の失敗を帳消しにしてもらい、リストラも進めて大いに身軽になったのは事実だが、一方でビジネスモデルは旧態依然。しかも高収益を背景に旧弊の「銀行の論理」が“復活”、資本市場を大きく歪め始めている。
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