古色蒼然たるスカルノ・ハッタ国際空港――首都ジャカルタ郊外にあるインドネシアの“玄関口”だ。到着ロビーを出てタクシー乗り場へ向かうと、ジャカルタで最も信頼性の高い「シルバーバード・タクシー」を騙る連中の執拗な客引きにあう。これに引っかかると数倍の料金を請求されるので、無視するのが上策。正規のタクシー乗り場に行列して、正真正銘の「シルバーバード」に乗り込む。乗り場ではこうした「事情」に通じた華人、欧米人、日本人などに加えて、最近では韓国人の姿をよく見るようになった。 今、ジャカルタにちょっとした韓国ブームが到来している。高速道路沿いに立てられた外国企業の大型看板も、一頃は日本企業が幅を利かせていたが、近年はサムスン、現代、LG、SKなど、韓国企業に取って代わられた。韓国料理のレストラン、韓国スーパー、カラオケも目につくようになった。かつてジャカルタ南部といえば、高額所得の日本人駐在員が集まり、日本人コミュニティが一大勢力となっていたが、ここにも韓国人コミュニティが根を張りつつある。また日本人が敬遠するジャカルタ東部でも、「カンポン・コリア(韓国村)」が建設中だ。

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