深層レポート 日本の政治
(95)
「過信」と「事なかれ」が行き着いた小沢辞任騒動
永田町でスムーズに物事を運ぼうと思えば、事前の根回しが必要不可欠。内容に異論はなくても、得てして「俺は聞いていない」という一点で反対に回るのが政治家の習性である。他の政治家に対してはあったであろう根回しが自分になかったことにプライドを傷つけられ、「ここで賛成すれば今後も軽く扱われる」と計算を巡らせ、また「何か裏があるかもしれない」と勘ぐるのだ。 十一月二日夜の党首会談で、与党と民主党の大連立を視野に政策協議をスタートさせたいと提案した福田康夫首相に対して、「役員会を開き、まとめてきます」と自信ありげに答えた小沢一郎民主党代表は、そんな議員心理にあまりに無頓着だった。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン