外交は“トライラテラリズム”の時代に

執筆者:田中明彦 2008年3月号
タグ: 北朝鮮
エリア: アジア

 かつて二国間外交こそが外交の真髄であると言われた。ある種の問題について、特命全権大使と特命全権大使が必死の交渉を繰り広げる。これが外交だというわけである。今でも、外交の多くは、二国間関係である。 しかし、最近ではマルチの外交すなわち多国間外交もまた大変重要であると言われるようになってきた。国連はまさに巨大な多国間外交の場だし、貿易や金融をめぐる交渉も多国間のものが多い。G8サミット(主要国首脳会議)にしても、東アジアサミットにしても、多数の国の首脳が一堂に会して会議を行なうことで外交を進めることになる。

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執筆者プロフィール
田中明彦(たなかあきひこ) 1954年、埼玉県生まれ。東京大学教養学部卒業。マサチューセッツ工科大学大学院博士課程修了(Ph.D. 政治学)。東京大学東洋文化研究所教授、東京大学副学長、国際協力機構(JICA)理事長、政策研究大学院大学学長、三極委員会アジア太平洋地域議長などを経て、2022年4月より再び国際協力機構(JICA)理事長に就任。著書に『新しい「中世」―21世紀の世界システム』(サントリー学芸賞受賞)、『ワード・ポリティクス―グローバリゼーションの中の日本外交』(読売・吉野作造賞)、『アジアのなかの日本』、『ポスト・クライシスの世界―新多極時代を動かすパワー原理』など。
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