サイクロン「ナルギス」の最中に誤発砲 受刑者を多数殺害したミャンマー当局

執筆者: 2008年6月号
エリア: アジア

 サイクロンの直撃を受け、死者が「十万人を超える恐れがある」(ビラロサ米代理大使)事態に陥るミャンマーで、被災の最中に刑務所で騒乱が発生、多数の死者が出ていたことが人権団体の報告で明らかになった。 五月三日にミャンマーを襲ったサイクロン「ナルギス」は、死者・行方不明者多数の他に約百万人が家を失う甚大な被害をもたらした。国際社会の援助申し出に対しミャンマー軍政は受け入れに消極的で、救援要員の入国に制限を設けるなど新たな人道問題を起こしている。 そうした中、隣国タイに拠点を置く非政府組織(NGO)の「ビルマ政治犯支援協会」は、中心都市ヤンゴン郊外にある政治犯収容施設として有名なインセイン刑務所で大きな騒ぎが発生し、治安当局の発砲で受刑者三十六人が死亡、七十人が負傷したことを明らかにした。

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