第一三共による製薬大手ランバクシー買収に続き、酒類最大手ユナイテッド・スピリッツの資本提携先としてサントリーの名が挙がるなど、日本企業のインド熱が高まり始めた今、水を差すような事件が続いている。 自動車大手タタ・モーターズが西ベンガル州のシングール地区で建設を進める新工場は、十月に発売されるインド発の超低価格車「ナノ」の生産拠点。だが、用地買収などをめぐって地元農民の反対運動がこの夏以降、激化している。 訴訟が長引くほかデモや妨害活動は日常茶飯事で、七月には建設技術者が暴行を受ける事件も発生。ラタン・タタ会長は八月末、「ナノ」の生産を他の州に移す可能性まで口にした。
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