経済の頭で考えたこと
(18)
「大国イラン」変貌の余波を凝視せよ
初代のホメイニに匹敵するだけのカリスマをもちえない最高指導者ハメネイにとって、バランスの維持だけがイランの革命体制の持続を保証するものと映っていたのだろう。二〇〇五年の大統領選挙に続いて今回もアフマディネジャドの支援に回ったのも、それが理由のはずだ。なぜならラフサンジャニとハタミという二代続いた穏健派大統領のもとで貧富の差が拡大してしまった以上、宗教上の教義を立国の基本に置くイラン革命体制を崩壊させないためには、高騰した原油代金からのあがりを貧者にバラ撒くという路線にとって代るものを想起できなかったからである。
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