業界人や企業アナリストなどには当たり前の話だが、一般にはあまり知られていないのが、石油元売りメーカーで事業構造の転換が徐々に進んでいることだ。石油や化学製品だけを売るのではなく、高機能の産業用素材やエレクトロニクス材料、バイオ関連製品などの高付加価値製品を生みだし、市場の拡大に取り組んでいる。 石油元売りメーカーが、減少する石油需要に対応するために多角化に乗り出したのは一九八〇年代の半ば。連結ベースで数兆円規模の売上高のなかでは、どの多角化製品の売上高も現時点では微々たるものだが、将来の“飯のタネ”への期待は強い。

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