米中央情報局(CIA)の本部正面玄関から入って、右側の壁には、いくつもの銀色の星が埋め込まれている。私が一九九〇年代に目撃した時には、その数は約六十だったが、現在はちょうど九十に増えている。 殉職したCIA職員の勇気を称えた象徴である。「われわれは国家防衛の第一線である。われわれは他の人たちがなし得ないことを達成し、他の人たちが行けないところに行く」と記した壁の下に、殉職者名簿が置かれている。なお名前を公開できない何人かは空欄のままだ。 昨年末の十二月三十日、パキスタンと国境を接するアフガニスタン東部ホスト州にある「チャップマン前進工作基地」で起きた自爆テロで死亡した七人のCIA工作員もやがて、あの壁で星になる。
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