「イケメンよりイクメンという言葉を流行らせたい」。一月の参院予算委員会での長妻昭厚生労働相の発言だ。「イクメン」とは「育児をする男性」の意。私は三年ほど前から講演などで、この言葉を使ってきた。だから、言葉そのものには異論ない。しかし、天の邪鬼の私は、大臣が口にするのはいかがなものか、とも感じる。 私のような民間の一研究者には言葉遊びによるゲリラ戦も一つの戦術だ。だが、大臣、それも担当閣僚ともなれば直接的かつ強大な権限を持っている。男性の育児参加を促そうとするのなら、他にやるべきことがもっとあるのに、と思ったのだ。

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