イスラム過激主義の台頭が教えるアフリカ研究の陥穽

執筆者:白戸圭一 2010年9月24日
タグ: フランス 日本
エリア: アフリカ

 日本には大勢のアフリカ研究者がいます。アフリカ各地の民族や社会を文化人類学の観点から捉える研究には長い歴史があり、本欄のもう一人の「専門家」である平野氏のような開発経済学や政治学などの社会科学分野の優れた研究者も多数存在します。

 しかし、広大な大陸の全ての領域が網羅されているわけではなく、ほとんど手つかずの空白の研究分野も当然ながらあります。そうした領域の一つは、1990年代以降のアフリカにおけるイスラム過激主義の台頭についてではないかと思われます。

 西アフリカのニジェール北部のアーリットで9月16日、ウラン鉱山の操業に関連するフランスの燃料会社アレバの社員ら7人(フランス人5人、トーゴ人1人、マダガスカル人1人)が、何者かに拉致されました。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
白戸圭一(しらとけいいち) 立命館大学国際関係学部教授。1970年生れ。立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。毎日新聞社の外信部、政治部、ヨハネスブルク支局、北米総局(ワシントン)などで勤務した後、三井物産戦略研究所を経て2018年4月より現職。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞受賞)、『日本人のためのアフリカ入門』(ちくま新書)、『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』(新潮社)など。京都大学アフリカ地域研究資料センター特任教授、三井物産戦略研究所客員研究員を兼任。
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