神奈川、新潟両県警に端を発し、国家公安委員会の持ち回り決定を含めた警察不祥事が、次期衆院選で小渕政権を直撃しかねないとの危機感が永田町に漂い始めた。保利耕輔国家公安委員長の進退というレベルにとどまらず、「自民党大敗―小渕恵三首相退陣」という可能性もささやかれている。
政権危機の兆候はまず世論調査に出ている。自自公批判が依然として六割を超えるなか、内閣支持が再び内閣不支持を下回った。自民党支持率も低迷し、無党派層が増えている。自民党内には、現状を一九七九年衆院選で当時の大平正芳首相が増税と鉄建公団などの不正経理事件で思わぬ敗北を喫した状況と似ていると見る向きもある。

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