インテリジェンス・ナウ

フジモリ再選で注目される黒幕モンテシノスの動向

執筆者:春名幹男 2000年6月号
タグ: 大統領
エリア: 中南米

「フジモリさんは国際世論のことなど全く分かっていないんだ。モンテシノスが陰で何をやっているのか知らないけどね」

 日ごろは温厚な日本政府高宮が、ペルー大統領選決選投票で日系二世のアルベルト・フジモリ氏が勝利したと聞いて、苦虫を噛みつぶしたような表情でそう言った。

 モンテシノスとは、この欄でも過去三度触れたペルー国家情報局(SIN)の顧問ブラディミロ・モンテシノス氏のことである。

 モンテシノス氏は、一九九〇年、彗星のように登場したフジモリ大統領とともに政権を裏から支えてきた、情報機関の事実上のトップだ。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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