六月十日午前九時四十六分、森喜朗首相は全日空便で地元の小松空港に降り立った。四月五日の首相就任以来初のお国入り。到着ロビーに巨漢の首相が姿を現わすと、詰め掛けた支持者から一斉に「万歳」の声が挙がり、日の丸の小旗が打ち振られた。
谷本正憲石川県知事や市町村長、県議団も顔を揃え、その場で開かれた歓迎セレモニーでも、「ご心配を掛けております。私の気持ち、心情を一番分かって下さっているのは皆さん。日本の国を良くしたいと頑張っています」と神妙にあいさつした首相に、「総理、三流マスコミに負けるな」と掛け声が飛び、大きな拍手が沸き起こった。

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