メキシコの歴史的な政変を生んだ「インディオの血」

執筆者:浅井信雄 2000年8月号
エリア: 中南米

 二十世紀最後の年、メキシコの歴史が急転した。一九二九年に源流をさかのぼる制度的革命党(PRI)が、二〇〇〇年七月の大統領選挙で初めて敗北、ソ連共産党に次ぐといわれた長期支配に終止符を打ったのだ。 超長期政権が生み出した閉塞状況への有権者の嫌悪感に加え、実質失業率三〇%と貧困人工四〇%の多くを占めるインディオとメスティーソ(混血)から成る浮動票の多くが、反対党候補に流れたのが大きいとみられる。 シベリアからベーリング海峡を渡って、紀元前二万年頃、今日のメキシコ周辺に到達した人々が、インディオの祖先である。彼らはアステカ、マヤ、オルメカ、トルテカなどの名を持つ素朴でエネルギー溢れる文化を形成したが、一五二一年から一八二一年まで続いたスペイン支配下で、スペイン人との混血が急速に進んだ。

カテゴリ: カルチャー
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