たまには息の長い話もしよう。掲げた数字は、昨年の六月に経済企画庁総合計画局が出した「人口減少下の経済に関する研究会」中間報告書に掲載されている一六〇〇年、つまり関ヶ原の合戦があったころの日本の推計人口である。最新の国勢調査によると、日本の人口は一億二六九一万人で、四百年前の人口はちょうど今の十分の一だったことになる。 江戸時代の最初の百年で人口は二倍以上に増えて三〇〇〇万人に。そこから百二十年間はほとんど人口は増えずに、明治維新の直前が三二〇〇万人。以降、日本の人口は鰻登りで、第二次世界大戦当時は七〇〇〇万人強、一億を越えたのは一九七〇年前後。日本経済は「人口が大きく伸びる」ことを、多くに認識されない前提としたまま高度成長をしてきた。
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