テロ事件の衝撃は“起業の聖地”に大きく影を落している。シリコンバレーから発信を続ける筆者が“九月十一日以後”の日本とアメリカを洞察する。[パロアルト発]こんな長い四週間はこれまでになかった。九月十一日の衝撃は未だ冷めやらない。むしろ日が経ち、省察を深めていくにつれて、そのインパクトの巨大さと歴史の不可逆性に愕然とする。本稿では、私の心の中がこの四週間にどう揺れ動いたのかを、できるだけ正直にたどってみたい。日本への苛立ち はじめの一週間、私は日本に対して憤り続けていた。特定の個人以外に対してこんなに激しい怒りを覚えたのは、生まれてはじめてだった。

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