「金正日同志の華麗な独裁」

執筆者:名越健郎 2001年10月号
タグ: 北朝鮮 ロシア
エリア: アジア

「共産党主義の亡霊来る」「悪党、恥を知れ」――。24日間にわたる金正日朝鮮労働党総書記の訪ロを報じるロシア紙には、過激な見出しが躍った。厳重警備の中、シベリア鉄道を超低速運転で進んだ“お召し列車”は、ロシアの列車ダイヤを大幅に狂わせ、庶民にはいい迷惑だったらしい。列車への投石やレールに石を置く妨害事件も伝えられた。 一方で、ロシア人にとって、「共産主義の亡霊」は、得意のアネクドートの格好のネタを提供したようだ。 金正日総書記の訪ロ準備にあたる北朝鮮代表団がクレムリンにやって来た。 代表団「金正日同志がレーニン廟を訪れた時、レーニンが立ち上がって、朝鮮語で歓迎のあいさつをするようにしてほしい」

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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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