ブッシュ米政権による「レジーム・チェンジ」(政権交代)は、イラクのフセイン政権だけを対象にした政策ではないようだ。 実は、米政府は北朝鮮に対して、幾度となく政権転覆の可能性を検討してきた。一九九四年の「核危機」の際、クリントン政権は一時北朝鮮との全面戦争さえ覚悟した。九八年のテポドン発射実験後の「ミサイル危機」の時にも、一つの選択肢として金正日政権の打倒を検討した。当時大統領特使だったウィリアム・ペリー元国防長官は最近ニューヨーク・タイムズ紙への寄稿記事で「北朝鮮国内に反体制派が存在する証拠はほとんどなく、十分な時間もなかった。同盟諸国もこのオプションを支持しないだろう」との理由で断念した、と明らかにしている。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン